コラム
武威・山丹──河西回廊の巨龍

武威・山丹──河西回廊の巨龍

寧夏回族自治区の銀川から内蒙古自治区との境界を南進してきた長城は、甘粛省の白金市に入ったところで西に向きを変える。ここで黄河とわかれ、農業遊牧境域地帯から離脱してゴビの河西回廊に突入する。河西回廊の「河西」とは、黄河の西という意味だ。そこには中央アジアへと奥深くつづく砂漠の回廊があり、オアシス都市が点在している。ひとつのオアシスからもうひとつ隣りのオアシスまでは駱駝が1日で進めるほどの距離で… [全文を読む]
経済の語源

経済の語源

明けましておめでとうございます。廣田裕之です。昨年までは「廣田裕之の社会的連帯経済ウォッチ」という連載を行っていましたが(一覧はこちらで)、社会的連帯経済について一通り紹介し尽くした感があることから、第120回の連載を持って打ち切ることにいたしました。今年からは「パラダイムシフト──社会や経済を考え直す」と題名を改めて、社会的連帯経済のみならず、社会や経済において世界各地で起きている新しい動向を紹介したいと思います。さて、私たちは普段から「経済」という単語を何気なく使っていますが… [全文を読む]
社会的連帯経済の今後の展望

社会的連帯経済の今後の展望

2013年より月2回のペースで5年間続けてきたこの連載では、社会的連帯経済をさまざまな角度から紹介してきましたが、その全貌について一通り紹介し尽くした感があるのと、私自身が今後連載にそれほど時間を割けなくなるという事情があるため、残念ながら今回をもって打ち切りたいと思います。最終回となる今回は、社会的連帯経済についてこれまでの内容をまとめたうえで、今後の展望について書いてみたいと思います… [全文を読む]
韓国における社会的経済促進のための諸政策

韓国における社会的経済促進のための諸政策

この連載では、韓国についても時々紹介してきましたが、公共政策について面白いニュースが入ってきましたので(詳細はこちら:日本語)、今回はこの記事をもとにして韓国の諸政策をご紹介したいと思います。なお、この記事を配信された韓国の生活協同組合のiCoopさんは、韓国語に加えて日本語や英語でも、韓国の社会的経済についてのメールマガジンを毎月配信していますので、韓国の動向にご関心のある方は… [全文を読む]
里山資本主義と社会的連帯経済

里山資本主義と社会的連帯経済

日本では社会的連帯経済という表現がほとんど使われない状況が続いていますが、比較的親和性の高いものとして最近登場した概念の一つとして、里山資本主義が挙げられます。今回は、社会的連帯経済やそれに関連した動きと里山資本主義について、比較してみたいと思います。里山資本主義は、資本主義という単語こそ使っているものの、従来の資本主義とは完全に異なる概念です。資本主義は、あくまでも企業に出資した資本家の利益を… [全文を読む]
横城堡・西夏王陵

横城堡・西夏王陵

オルドス沙漠の南辺を西にまわりこんだ長城は、花馬池あたりで陝西省から寧夏回族自治区に進入し、銀川をめざして驀進する。親長城と子長城の2匹の双龍が数キロの間隔をおいて並走し、60キロメートルほど北西にある興武営で合流して一本の堅固な防御壁となる。明代の辺境防衛システム、九辺鎮の7番目にあたる寧夏鎮につらなる長城である。ここもまた、オルドスに展開して漢界への侵入を試みたモンゴルを押し止めるために築かれた。双龍が合体した城壁はやがて銀川郊外を北行する黄河… [全文を読む]
社会的連帯経済における行政の役割:フェアトレード・タウンに学ぶ

社会的連帯経済における行政の役割:フェアトレード・タウンに学ぶ

前回(第116回)は、社会的連帯経済における生産者と消費者の関係について検討しましたが、今回は、社会的連帯経済における行政の役割について考えてみたいと思います。社会的連帯経済における行政の役割としてまず思いつくのが、各種支援政策の実施であり、これについてはこの連載でも様々な形で取り上げてきましたが、今回は社会的連帯経済の事例への… [全文を読む]
花馬池・銀川

花馬池・銀川

河北、天津、北京、山西、陝西をたどってきた長城を行く旅は、いよいよイスラム教地帯の寧夏回族自治区に入る。長城はオルドス砂漠の淵にそって一旦南下し、そして北西に向きを変える。黄河は北流し、両者は銀川郊外の横城堡で交差する。次の目的地は花馬池(塩池)だ。そこは九辺鎮の6番目の要衝、楡林鎮の終点でもある。荒涼とした砂漠のなかに二匹の双龍のような大小の長城が数キロの間隔を保って走り、藍天の下に烽火台が屹立する。九辺鎮は遼東鎮を皮切りに薊鎮、宣府鎮、大同鎮、山西鎮とつづき、楡林鎮を終えようとしている… [全文を読む]
生産者と消費者の関係

生産者と消費者の関係

経済活動においては、当然といえば当然ですが、基本的に消費者の存在を前提として生産活動が行われます。衣食住や医療・教育サービス、各種電化製品や公共交通などは、消費者がいることを前提として生産されています。コメ農家はコメを求める消費者のために、各種電化製品メーカーは電化製品を求める消費者のために商品を生産しているわけで、商品やサービスを売るためには、それを求めている消費者を獲得することが欠かせません。今回はこの観点から… [全文を読む]
鎮北台──西安府を防衛する辺境の要塞

鎮北台──西安府を防衛する辺境の要塞

偏関をあとにして山西省の保徳で黄河を渡り、九辺鎮の6番目に位置する楡林鎮に向かっている。楡林鎮の古名は延綏鎮だが、明の成化9(1473)年に統括範囲が楡林城まで北に延びたため、楡林鎮と改名された。延綏鎮の「延綏」は、延安府綏徳州(現在の陝西省綏徳県)のことである。楡林鎮は、明代、府谷の西北にあった清水営から神木、楡林衛、懐遠堡、威武堡、靖辺堡、旧安辺堡、定辺営とオルドス砂漠を東辺から南辺… [全文を読む]
ホセ・ルイス・コラッジョによる社会的連帯経済論

ホセ・ルイス・コラッジョによる社会的連帯経済論

南米の社会的連帯経済については何名か有名な研究者がいますが、その中でもアルゼンチンのホセ・ルイス・コラッジョが2011年に出した「社会的連帯経済: 資本の前に労働」という本(スペイン語)はオンラインで刊行されており、また入門書としても適切な内容になっていることから、今回ご紹介したいと思います。なお、コラッジョはアルゼンチン人ですが、この本がエクアドルで刊行されたことから、エクアドルの状況についても… [全文を読む]
スペインの社会的包摂企業

スペインの社会的包摂企業

スペインには社会的包摂企業という概念があり、全国各地で活動を行っています。第10回の記事で紹介した社会的企業とは似ているものの、その運営内容に多少の違いがありますので、それについて説明したいと思います。社会的企業も社会的包摂企業も、長期失業者や高校中退者、また薬物中毒者など社会的に疎外されている人たちの社会復帰に取り組むという点では共通していますが、諸外国の社会的企業ではこれらの人たちを中長期的に雇うのが目的になっているのに対し… [全文を読む]
トランジションガイド

トランジションガイド

化石燃料に頼らないライフスタイルを模索するトランジション・タウンズについては、すでに第32回の連載で紹介していますが、このトランジション・タウンズが新たな導入ガイドを刊行しましたので、今回は「トランジションを実践するための必須ガイド」と題されたこのマニュアルを読みながら、その実践について考えてみたいと思います。なお、原文(英語)はこちらでご覧になれます。このガイドでは、「天然資源が有限であることを尊重しレジリエンス(復元力)を創造」「包摂性と社会正義を推進」「補完性原理を採用」… [全文を読む]
韓国における社会的連帯経済関係の公共政策についてのILOの報告書

韓国における社会的連帯経済関係の公共政策についてのILOの報告書

今年の6月末に、韓国はソウル市内で社会的連帯経済に関するILOのアカデミーが開催されましたが、それを記念する形でILO側でも韓国における社会的連帯経済についての報告書(英語)を刊行しましたので、今回はこの報告書を取り上げたいと思います… [全文を読む]
偏関──黄河を渡る巨龍

偏関──黄河を渡る巨龍

古来、黄沙は朔風とよばれたゴビからの北風にのって中原に吹きだまり、これから訪れる山西と陜西の省境に展開する偏関や寧夏の台地にうず高く降り積もった。その高さは20~150メートルにも達するというからすごい。黄沙が堆積した一帯は黄土高原とよばれている。広さは40万平方キロを超え、日本の国土面積をかるく上まわってしまう。そんな大地を南から北へ、そして北から南へとオルドス(鄂爾多斯)砂漠の淵を大きく湾曲しながら流れているのが中国第二の大河、黄河である… [全文を読む]