コラム
国連社会開発研究所の提唱する社会的連帯経済関係の公共政策

国連社会開発研究所の提唱する社会的連帯経済関係の公共政策

2013年1月に始まり、月2回のペースで続けてきた連載ですが、今回めでたく第100回を迎えることになりました。まだまだ社会的連帯経済については世界各地で様々な情報があるので、この連載を通じて今後も日本の読者の皆さんに多種多様な実例や理論などを紹介してゆきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願い申し上げます… [全文を読む]
居庸関──雲台に刻された西夏文字の誘惑

居庸関──雲台に刻された西夏文字の誘惑

渤海湾に突き出した老龍頭を起点に歩きはじめた長城を踏破する旅は、山海関、角山長城、漁陽古地の山奥にある黄崖関、そして燕山々脈の尾根を走る司馬台、金山嶺、慕田峪と外長城をめぐってきた。今回、その遊牧と農耕地帯を画する外長城から数十キロほど南下して、京師(首都)防衛の要としての役割を担った内長城の居庸関にむかう。居庸関長城は北京市街から北西におよそ50キロ、観光バスで1時間半ほどの距離だ… [全文を読む]
ソウル市における社会的経済

ソウル市における社会的経済

前回(第98回)はバルセロナ市役所が最近発表した社会的連帯経済推進のための諸政策を紹介しましたが、韓国の首都ソウル市では、朴元淳(パク・ウォンスン)氏が2011年に市長に就任以来、社会的経済の推進においても目覚ましい動きを見せています。今回は、同市が発行した「ソウル市における社会的経済の発展の現状」(英語版・フランス語版)と題されたブックレットの内容を紹介したいと思います… [全文を読む]
慕田峪──首都防衛の要衝

慕田峪──首都防衛の要衝

中国北方の春は唐突にやってくる。北京市街から北郊の長城にむかう国道の並木は、いまだ冬姿だ。見上げるような大樹に緑の一葉もなく、樹間に北国の殺伐とした風景を見とおすことができる。それが慕田峪にのぼり、敵楼から山肌を見下ろすと、縹渺とした霞の中に薄紅色の春が萌えているではないか。このあたり一帯はくるみ、栗、りんご、梨、桃、山査子、杏の宝庫だという。金山嶺長城で冬枯れの荒野を走破したのはほんの数日前だったのに、季節のうつろいはなんと劇的というほかない… [全文を読む]
バルセロナ市役所による社会的連帯経済推進政策

バルセロナ市役所による社会的連帯経済推進政策

バルセロナ市における社会的連帯経済の発展の歴史や現状については、第77回および第78回の連載ですでに紹介していますが、最近バルセロナ市役所が一連の推進政策を発表(カタルーニャ語)しましたので、今回はそれについて紹介したいと思います。スペインでは2015年5月の統一地方選挙により、各地で新しい市長が生まれましたが、その中でも各種先進的な取り組みで最も有名なのが、バルセロナ市長に就任したアダ・コラウです。 [全文を読む]
ブエン・ビビールや「国内総幸福」について

ブエン・ビビールや「国内総幸福」について

まずは、ブエン・ビビール(Buen Vivir)です。直訳すると「よい生活を送ること」となるこの単語は、2008年にエクアドル憲法が改正された際に採用されたことで、同国のみならずスペイン語圏諸国を中心として諸外国でも話題になりました。このブエン・ビビールは、エクアドルの先住民の言語ケチュア語のスマック・カウサイ(Sumak Kawsay)をスペイン語に訳したもので、スマックは「地球の理想的および美しい実現… [全文を読む]
金山嶺・司馬台──燕山の尾根を縦走する

金山嶺・司馬台──燕山の尾根を縦走する

黄崖関を後にして北京に移動し、いま万里の長城の白眉ともいえる金山嶺の絶景に向かって郊外の山道を疾走している。バスの目的地は二つ、まず司馬台長城の登り口まで行き、そのあとで西に約20キロほど離れた金山嶺の登城口に向かうのだ。金山嶺長城のさらに先には、前世紀以前から外国人が頻繁に訪れ始めた古北口の長城群がある。今回の旅では、司馬台と古北口の中間にある金山嶺から城壁に取りつき、司馬台まで燕山支脈の… [全文を読む]
カタルーニャの「社会的企業」ラ・ファジェーダ

カタルーニャの「社会的企業」ラ・ファジェーダ

社会的企業については、韓国の事例が最近では日本でも多少話題になっているかと思いますが、スペインはカタルーニャ州にあり、牧場やヨーグルト工場などを擁しているラ・ファジェーダは、そのような事例に関心のある方にとって非常に興味深い事例ですので、今回はドロース・ゴンサレス著「ラ・ファジェーダ: 社会的で利益の出る起業家の狂気の歴史」(2013年)から同社の発展を紹介したいと思います… [全文を読む]
モンドラゴンの課題とジレンマ──白物家電メーカーのファゴルの倒産を受けて

モンドラゴンの課題とジレンマ──白物家電メーカーのファゴルの倒産を受けて

スペイン・バスク地方に本拠を置くモンドラゴン協同組合は、7万人以上の組合員と日本円になおして1兆円以上の事業高を誇る世界最大の労働者協同組合で、日本を含む世界各地の協同組合関係者がモンドラゴン参りを行っていますが、同グループに属する白物家電メーカーのファゴルの倒産を受けて、岐路に立たされています… [全文を読む]
黄崖関──漁陽古地の行幸路

黄崖関──漁陽古地の行幸路

明代長城の起点となる山海関、そのすぐ西に屹立する角山長城、そしていま見てきたばかりの黄崖関長城も外装を煉瓦で覆った構築物だった。万里の長城を西へ敦煌郊外までたどる過程で判ったことは、長城には石や煉瓦で築いた構造ばかりでなく、土を突き固めて築いた土長城、そして粘度の低い土や砂に植物繊維を混ぜてつくった長城と、幾種類かあることがわかってきた。全長約6千キロわたる長城の全行程で、もっとも広く採用されているのが「版築」とよばれる建築工法である。版築の「版」とは、土壁を築くときに用いる挟板のことで… [全文を読む]
社会的連帯経済の二つの顔──経済活動そして社会運動

社会的連帯経済の二つの顔──経済活動そして社会運動

社会的連帯経済には、経済活動そして社会運動という2つの顔があり、その推進や発展においては別々の活動が必要となります。これについて、今回はちょっと見てみることにしてみたいと思います。最初の顔は、経済活動としての社会的連帯経済です。協同組合(第92回)や非営利団体、財団や共済組合といった法人格は世界どこにでも存在しており、どちらかというと連帯経済側に分類されるフェアトレードや産直提携、補完通貨… [全文を読む]
黄崖関──漁陽古地の重鎮

黄崖関──漁陽古地の重鎮

黄崖関は明代九辺鎮の薊鎮に属する馬蘭路の要衝で、古来、兵家必争の地として幾多の戦役がくりかえされてきた。紀元前の秦はこの地に県を設け、それが薊県となった。隋のころ漁陽と改名され、唐代に薊州となり、ふたたび薊県にもどったのは辛亥革命後の1913年である。明の永楽帝は南京からみずからの根拠地である燕の国に遷都し、北京を首都とした。薊州は明の残党から京師(首都)防衛する軍事の要衝となり、堅牢な長城が修築された。そのひとつが黄崖関だ… [全文を読む]
持続可能な開発目標と社会的連帯経済との関係

持続可能な開発目標と社会的連帯経済との関係

社会的連帯経済は、利益のみならず人や地球環境も配慮した経済活動を目指していますが、このような経済活動を考える上で非常に参考になるのが、世界人権宣言や持続可能な開発目標です。世界人権宣言との関係についてはRIPESS憲章の紹介の際に取り上げたので、今回は持続可能な開発目標について見てゆきたいと思います。RIPESS憲章についておさらいすると、社会的連帯経済分野での世界的ネットワークであるRIPESSが… [全文を読む]
山海関──遼西回廊の要衝

山海関──遼西回廊の要衝

山海関は明代に修築された長城の起点をなし、九辺鎮の薊鎮に属する最初の関所である。薊鎮は山海、石門、燕河、太平、喜峰口、馬蘭、墻子、曹家、古北口、石塘、居庸の11路から成り、北京北郊の居庸関までの区間に展開している。この場合の路とは長城の路段(区間)のことを指し、11路はさらに27小段にわけられる。天空に「天下第一関」の扁額を掲げた山海関の主楼である鎮東楼は、海浜から山にのびる長城の核として昇龍のような城壁の真ん中に屹立する… [全文を読む]
さまざまな種類の協同組合

さまざまな種類の協同組合

社会的連帯経済の中でも主役的な立場を果たす協同組合ですが、実際にはこれらは、目的も活動内容も多種多様です。今回は、そのあたりについて見てみることにしたいと思います。最も古典的な協同組合としては、労働者協同組合が挙げられます。これは、通常の資本主義企業の下で労働者が雇用されるのではなく、労働者自身が出資して協同組合という形で自分たちの企業を創設し、そこで自主運営の原則の下で事業を展開してゆくというものです。残念ながら日本では、このような労働者協同組合… [全文を読む]