コラム
生産者と消費者の関係

生産者と消費者の関係

経済活動においては、当然といえば当然ですが、基本的に消費者の存在を前提として生産活動が行われます。衣食住や医療・教育サービス、各種電化製品や公共交通などは、消費者がいることを前提として生産されています。コメ農家はコメを求める消費者のために、各種電化製品メーカーは電化製品を求める消費者のために商品を生産しているわけで、商品やサービスを売るためには、それを求めている消費者を獲得することが欠かせません。今回はこの観点から… [全文を読む]
鎮北台──西安府を防衛する辺境の要塞

鎮北台──西安府を防衛する辺境の要塞

偏関をあとにして山西省の保徳で黄河を渡り、九辺鎮の6番目に位置する楡林鎮に向かっている。楡林鎮の古名は延綏鎮だが、明の成化9(1473)年に統括範囲が楡林城まで北に延びたため、楡林鎮と改名された。延綏鎮の「延綏」は、延安府綏徳州(現在の陝西省綏徳県)のことである。楡林鎮は、明代、府谷の西北にあった清水営から神木、楡林衛、懐遠堡、威武堡、靖辺堡、旧安辺堡、定辺営とオルドス砂漠を東辺から南辺… [全文を読む]
ホセ・ルイス・コラッジョによる社会的連帯経済論

ホセ・ルイス・コラッジョによる社会的連帯経済論

南米の社会的連帯経済については何名か有名な研究者がいますが、その中でもアルゼンチンのホセ・ルイス・コラッジョが2011年に出した「社会的連帯経済: 資本の前に労働」という本(スペイン語)はオンラインで刊行されており、また入門書としても適切な内容になっていることから、今回ご紹介したいと思います。なお、コラッジョはアルゼンチン人ですが、この本がエクアドルで刊行されたことから、エクアドルの状況についても… [全文を読む]
スペインの社会的包摂企業

スペインの社会的包摂企業

スペインには社会的包摂企業という概念があり、全国各地で活動を行っています。第10回の記事で紹介した社会的企業とは似ているものの、その運営内容に多少の違いがありますので、それについて説明したいと思います。社会的企業も社会的包摂企業も、長期失業者や高校中退者、また薬物中毒者など社会的に疎外されている人たちの社会復帰に取り組むという点では共通していますが、諸外国の社会的企業ではこれらの人たちを中長期的に雇うのが目的になっているのに対し… [全文を読む]
トランジションガイド

トランジションガイド

化石燃料に頼らないライフスタイルを模索するトランジション・タウンズについては、すでに第32回の連載で紹介していますが、このトランジション・タウンズが新たな導入ガイドを刊行しましたので、今回は「トランジションを実践するための必須ガイド」と題されたこのマニュアルを読みながら、その実践について考えてみたいと思います。なお、原文(英語)はこちらでご覧になれます。このガイドでは、「天然資源が有限であることを尊重しレジリエンス(復元力)を創造」「包摂性と社会正義を推進」「補完性原理を採用」… [全文を読む]
韓国における社会的連帯経済関係の公共政策についてのILOの報告書

韓国における社会的連帯経済関係の公共政策についてのILOの報告書

今年の6月末に、韓国はソウル市内で社会的連帯経済に関するILOのアカデミーが開催されましたが、それを記念する形でILO側でも韓国における社会的連帯経済についての報告書(英語)を刊行しましたので、今回はこの報告書を取り上げたいと思います… [全文を読む]
偏関──黄河を渡る巨龍

偏関──黄河を渡る巨龍

古来、黄沙は朔風とよばれたゴビからの北風にのって中原に吹きだまり、これから訪れる山西と陜西の省境に展開する偏関や寧夏の台地にうず高く降り積もった。その高さは20~150メートルにも達するというからすごい。黄沙が堆積した一帯は黄土高原とよばれている。広さは40万平方キロを超え、日本の国土面積をかるく上まわってしまう。そんな大地を南から北へ、そして北から南へとオルドス(鄂爾多斯)砂漠の淵を大きく湾曲しながら流れているのが中国第二の大河、黄河である… [全文を読む]
脱成長について

脱成長について

社会的連帯経済が盛んなフランスやスペインなどでは、脱成長(仏décroissance、英degrowth、西decrecimiento)と呼ばれる思想が、社会的連帯経済の実践例にも影響を及ぼしています。今回はこの脱成長について取り上げたうえで、社会的連帯経済との間でどのような親和性を持つか検討してみたいと思います。脱成長の論者として世界的に最も有名なのは、フランスの経済学者セルジュ・ラトゥーシュで、彼の著作「経済成長なき社会発展は可能か?──〈脱成長〉と〈ポスト開発〉の経済学」… [全文を読む]
日本発で世界に広まった産直提携農業

日本発で世界に広まった産直提携農業

社会的連帯経済に関するこの連載では、どうしても諸外国の事例の紹介が中心になりがちですが、今回は日本発で諸外国に広まっていった産直提携農業について取り上げたいと思います。なお、この産直提携については、以下の記事もご覧ください… [全文を読む]
社会的市場について

社会的市場について

スペインの連帯経済ネットワークREASでは、社会的市場と呼ばれる取り組みに重点を置いていますが、これまでこの社会的市場についてご紹介する機会がなかったので、今回はこのテーマに注目したいと思います。なお、この社会的市場を理解するための理念的基盤として、「平等」、「労働」、「環境の持続可能性」、「協力」、「非営利」および「地域社会への取り組み」という6原則を規定した、REAS憲章についての日本語での解説についてもお読みになることをお勧めします… [全文を読む]
大同・得勝堡・雲崗──長城と仏教石窟

大同・得勝堡・雲崗──長城と仏教石窟

万里の長城を踏破する旅は、すでに内陸の山西省に達した。これからむかう得勝堡は張家口から長城にそって西行する鈍行列車の終着地、大同市の北郊50キロのところにある。そこから国道208号線をそのまま北進すれば数キロさきはもう内蒙古自治区で、省境の町=豊鎮に達する。あたりはなだらかな丘陵地帯で、草原には羊が放牧され、開墾された農地では雑穀が実っている。遊牧と農耕が混在し、いま、まさに中国東北地方から… [全文を読む]
第2回社会的連帯経済会議(2016年11月、スペイン・ビルバオ市)の 報告書より

第2回社会的連帯経済会議(2016年11月、スペイン・ビルバオ市)の 報告書より

昨年(2016年)の11月10日から12日にかけて、REASエウスカディ(バスク州)の主催で、同州の最大都市であるビルバオ市内で第2回社会的連帯経済会議が開催されましたが、「社会的連帯経済の展開のためのいくつかの道のり」という副題とともにその報告書(スペイン語版・バスク語版)が刊行されましたので、こちらでその内容をご紹介したいと思います… [全文を読む]
張家口・大境門──内モンゴル草原への入り口

張家口・大境門──内モンゴル草原への入り口

明代長城の北限、独石口の細く小さな土長城を見たあと、突然降り出した雨に追われるようにして路線バスの客となり、悪路を張家口方面にむかう。床の抜けそうなバスはいったん県城(赤城)まで南下し、そこから赤城県、崇礼県を西進して目的地へ驀進する。途中、鎮寧堡郷、白旗郷、高家営鎮など長城に併設された堡や営を連想させる村を通過する。およそ3時間が経過したころ、バスは忽然と出現した都会の黄昏の喧噪に巻き込まれ… [全文を読む]
第4回社会的補完通貨国際会議報告

第4回社会的補完通貨国際会議報告

5月10日(水)から14日(日)にかけてバルセロナ市内で第4回社会的補完通貨国際会議が開催されましたので、その内容について報告したいと思います。今回の会議では34か国から350名ほどの人が参加し、史上最大規模になりました。なお、今回の記事に関連する過去ログとして、以下の記事がご参考になると思いますので、こちらもご一読いただければ幸いです… [全文を読む]
第13回IDEARIA報告

第13回IDEARIA報告

去る4月末に、スペイン南部アンダルシア州はコルドバ市のマイモニデス高校(市役所そば)で、第13 回IDEARIAが開催されましたので、今回はその報告を行いたいと思います。なお、前回(第12回、2015年開催)の報告については、こちらをご覧ください。今回のIDEARIAでは、連帯経済におけるエコフェミニズムが主なテーマとなっており、基本的に講演ではなく分科会での議論を通じて具体的な行動計画を生み出すというものとなっていました。とはいっても、エコフェミニズムという考え方自体に馴染みのない読者の方が大半だと思います… [全文を読む]