パラダイムシフト──社会や経済を考え直す
トリレンマについて考える

トリレンマについて考える

国際金融や世界経済の分野では、トリレンマが話題になることがあります。トリレンマという表現はおそらく多くの人にとって初耳でしょうが、ジレンマと関係があるものの、2つではなく3つの要素の間で板挟みになる事態のことです。つまり、トリレンマという状況の中では、3つの目標全てを達成することはできず、そのうち2つを達成するためには残りの1つを犠牲にしなければならないというわけです。国際金融のトリレンマは、自由な資本移動、為替相場の安定… [全文を読む]
税収増や年金の安定につながる減価する貨幣

税収増や年金の安定につながる減価する貨幣

ベーシックインカムについては第5回ですでに取り上げましたが、今回はその関連で、財政や年金制度の安定という観点から、減価する貨幣について考えてみたいと思います。減価する貨幣は、シルビオ・ゲゼル(1862~1930)がその代表作「自然的経済秩序」(日本語訳はこちら)で提唱した制度で、通貨が一定期間ごとにその価値を減らすというものです… [全文を読む]
通貨改革に関するスイスの国民投票

通貨改革に関するスイスの国民投票

6月10日にスイスでは、通貨改革に関する国民投票が行われます。この国民投票では、現在はどこの国でも認められている、民間銀行による通貨創造を禁止し、同国の中央銀行であるスイス国立銀行のみが通貨創造権を有するようにしようという提案について、賛成あるいは反対の投票が行われます。ちょっとわかりにくい投票ですが、社会の仕組み全体を大きく変える内容ですので、今回はこの内容について解説したいと思います… [全文を読む]
ベーシックインカムは実現可能か?

ベーシックインカムは実現可能か?

ベーシックインカム(所得保障制度)は、基本的に誰に対しても平等に最低限の所得を政府が提供するという制度で、ここ数年、欧州諸国を中心としてこのベーシックインカムを試験的に実行している地域が増えてきたこともあり、日本でも前回の総選挙で希望の党が公約に掲げたことで、注目が増しています。今回は、このベーシックインカムについてちょっと考えてみたいと思います。ベーシックインカムというと、政治的左派や… [全文を読む]
ビットコインの教訓

ビットコインの教訓

世界でも代表的な仮想通貨あるいは暗号通貨として一躍有名になったビットコインは、急速な値上がりにより世界各地の投機家の関心を引き付けることになりましたが、同時にその暴落によってその魅力が薄れてきています。前回(第3回の記事)は誰が通貨を発行すべきかについて検討しましたが、その内容を踏まえてビットコインについてちょっと考察してみたいと思います。ビットコインは、2008年にナカモト・サトシという人が発表した論文をもとにして導入された電子通貨で… [全文を読む]
お金は誰が発行すべきか?

お金は誰が発行すべきか?

現在の経済では、商品やサービスの取引を行う上でお金が欠かせないようになっていますが、その一方で、誰がどのようにしてお金を発行しているかという点についてはほとんど話題にならないままです。今回はこの基本的なテーマについて、深く掘り下げてみたいと思います。物々交換の時代は、お金は特に必要ありませんでした。お米や干し魚、衣服や食器など、自家消費以上のぶんが手元にある商品を市場に持っていって、直接交換したわけです。たとえば干し魚がたくさん手元にある漁師は、市場で魚を渡すかわりにお米や靴などを手に入れることで… [全文を読む]
第1セクター、第2セクターと第3セクターの役割

第1セクター、第2セクターと第3セクターの役割

経済の担い手は、基本的に第1セクター(公共部門)、第2セクター(民間部門)そして第3セクター(非営利部門)の3つに分類することができますが、今回はこの3者がどのような役割分担を果たすべきかについて、考えてみたいと思います。その前に、第3セクターという単語の定義について明らかにしたいと思います。日本では、特に地方自治体とその地域の有力企業の両方が出資して結成された官民共同出資企業という意味合いで第 [全文を読む]
経済の語源

経済の語源

明けましておめでとうございます。廣田裕之です。昨年までは「廣田裕之の社会的連帯経済ウォッチ」という連載を行っていましたが(一覧はこちらで)、社会的連帯経済について一通り紹介し尽くした感があることから、第120回の連載を持って打ち切ることにいたしました。今年からは「パラダイムシフト──社会や経済を考え直す」と題名を改めて、社会的連帯経済のみならず、社会や経済において世界各地で起きている新しい動向を紹介したいと思います。さて、私たちは普段から「経済」という単語を何気なく使っていますが… [全文を読む]