アジアから見る日中
「おもてなし」か「おせっかい」か

「おもてなし」か「おせっかい」か

2020年のオリンピック開催が東京に決まった時から、「おもてなし」という言葉が流行語になった。それ以来、何でもかんでも「おもてなし」が使われているような気がするが、筆者にはかなり違和感がある。もちろん日本の高級旅館の女将の振る舞いなどは見事なのかもしれない。でもそれはもてなす相手が日本人、しかもある程度地位や金がある人を対象にしているのではないか。おもてなしをするには相手のニーズが… [全文を読む]
無くなっていく「ジャンパン・アドバンテージ」

無くなっていく「ジャンパン・アドバンテージ」

初めて海外へ行ったのは1984年、場所は台湾。日本からフラフラやってきた若者に対してご飯をご馳走してくれたり、お土産をくれたり、バイクの後ろに乗せてくれたりと、台湾の人々は想像できないほどに暖かく迎えてくれた。何と日本人に優しいのかと感激したことを昨日のことのようによく覚えている。それから30年余り、アジアの20数ヵ国を訪ねて思うのは、「日本人だから」いうだけで厚遇してもらえる有難さ… [全文を読む]
真のグローバル人材とは

真のグローバル人材とは

ここ数年、日本では「グローバル人材」なる言葉がよく使われている。筆者も某大学で、グルーバル人材についての講義を依頼されたことがあるが、この言葉の定義については、大学生やそこで教える先生と、話がかみ合わないことがあり、かなり意外に思ったことを覚えている。日本で一般的に言われているグローバル人材とは、英語などの外国語ができて、海外で活躍できる人材、と纏めることができるかと思う。それ自体は間違っていない気もするが、例えば「中国語を使って、中国に駐在し、中国ビジネスができる人材」と言われると… [全文を読む]
歌舞伎町案内人から学ぶ日本

歌舞伎町案内人から学ぶ日本

中国料理で一番辛いのは何料理?という問いを出すと大抵の日本人は「四川料理」と答えるが、中国人に同じ質問すれば、大抵の人が「湖南料理」と答える。四川の辛さは「麻」、痺れるよう感覚だが、湖南は本当に「辛い」という表現になる。実際に湖南省長沙に行った時も、何を食べても唐辛子が効いており、辛くてかなり困った。仕方なくシンプルなキャベツ炒めを注文したが、その唐辛子の量は尋常でなく、今も心に残っている。ただ一度食べ始めると癖になる味、ではある… [全文を読む]
ミャンマー 従軍看護婦の戦い

ミャンマー 従軍看護婦の戦い

今年は戦後70年の節目の年。日本では毎年8月頃になると、戦争関連のドラマが必ず放映されるが、今年はその中にTBSの「レッドクロス~女たちの赤紙」(主演:松嶋菜々子)があるということを、中国俳優のFacebookで知った。ドラマの舞台は旧満州だが、筆者にはこの題名を見て、強烈に思い出す1つの出来事があった。それは今から12年前、初めてミャンマーを訪ね、シャン州の茶畑を見学した帰り道。友人の勧めで… [全文を読む]
信頼される会社とは

信頼される会社とは

1980年代から約30年、日本企業の海外進出は目覚ましい。それは80年代半ばの急激な円高で始まったが、特にアジアへの進出は目を見張るばかり。一時は猫も杓子も中国詣でだったが、最近はアジアシフトとかで、東南アジアに多くが目を向けている。日本側の事情でアジアへ出て行くのは分かるが、受け入れるアジアの側ではどうなんだろう。アジアのある国で政府のアドバイザーをしているという日本人の話を聞いたことがある。「タイの工業化成功には日本企業の進出が大いに… [全文を読む]
一定以上働かない社会を認めよう

一定以上働かない社会を認めよう

東南アジアを歩いていると、よくハンモックや長椅子で昼寝をしている人を見かける。タイでもカンボジアでも、暑い昼下がりなどは道路脇でも市場でも、もちろん自宅でも、皆、こぞって寝入っている。それはそうだ。こんなに暑い中、動き回るほうが体に悪いし、第一効率も上がらない。それなら一層、寝てしまい、夜また活動すればよい、そんな雰囲気を強く感じる。ところが日本人ビジネスマンがこのような国に視察に訪れると… [全文を読む]
中国はなぜあんなに発展したのか 経済成長の条件

中国はなぜあんなに発展したのか 経済成長の条件

約30年前、上海に留学した。勤めていた会社からの半強制的な派遣だった。あの頃、中国に自ら希望して留学する金融マンは非常に少なかった。何しろ中国は文化大革命後で未知の国であり、当時バブルの入り口に差し掛かった日本とは雲泥の差があると思われていた。そして何より「中国に我々が思う金融など存在しない」という思いもあり、ここでビジネスをすることは考えられなかった。帰国後勤務先に対して「中国勤務は… [全文を読む]
成長するのは歯止めのない国

成長するのは歯止めのない国

先日大学生から「なぜ中国はここ30年であんなに経済成長で来たのでしょうか?」という質問を受けた。そんなの一言で説明できるわけないよ、と思いながら、口を突いて出たのが、「改革開放期の中国には歯止めがなかったら」という答えだった。鄧小平はそれまで社会主義体制、そして文化大革命で押さえつけられてきた中国人民を解放した、いや野に放ったとも言われている。その効果は恐るべき威力を発揮し、僅か30年で日本のGDPを越えてしまった… [全文を読む]
日本人に見る諦観

日本人に見る諦観

今年で阪神淡路大震災からちょうど20年が経った。当時香港に駐在していた筆者はたまたま一時帰国で実家のあった栃木にいたのだが、朝からテレビで煙が上がる風景だけが映し出されており、一体何が起こったのか、皆目見当もつかない状況だった。香港の勤務先では実家が関西にある人を中心に電話を掛け続けたが、海外からは丸一日、全く通じなかったと後で聞いた。大災害というのは、すぐには状況が掴めない、すぐに事態が分からない時ほど、被害が大きいことをこの時初めて体験した… [全文を読む]
新疆ウイグルに見るイスラムと日本の類似点

新疆ウイグルに見るイスラムと日本の類似点

このところイスラムについて書いているので、その話を続けたい。中国のイスラムといえば新疆ウイグルに多く住むウイグル人もイスラム教徒だ。中国政府がなぜあそこまで新疆を重視し、圧力をかけるのか。それもやはり世界的なイスラム勢力の台頭、圧力と関係がある、と考えられる。筆者はこの3年間で、合計1カ月半ほど、新疆を旅している。それもウイグル人の知識階級と一緒の旅であり、その結果、新疆各地の状況を… [全文を読む]
スリランカの仏教が滅びてしまう!

スリランカの仏教が滅びてしまう!

バングラデシュのイスラムについて書いたついでにスリランカについても述べてみたい。スリランカは人口2000万人の小さな島国。島国同士のせいか、元々の仏教繋がりのせいか、親日度の高い国である。長年イギリスの支配が続いたこともあり、素晴らしい紅茶が取れることでも有名だ。2009年に26年間続いた内戦がようやく終結し、まさに80年代初頭の中国のように改革開放政策を進めようとしている… [全文を読む]
バングラデシュに見るイスラム

バングラデシュに見るイスラム

少し前の話になるが、バングラデシュに行ったことがある。偶然にも日本の大学生がバングラデシュの仏教徒の家にホームステイするプログラムに紛れ込んだのである。バングラデシュは90%以上がイスラム教徒の国、そこに仏教徒がいることなど想像していなかったが、また彼らの置かれている立場も実に微妙であった。バングラデシュ第3の都市コックスバザールは、ミャンマー国境に近い、世界一長い天然のビーチを持つ街… [全文を読む]
カンボジア 世界一持続可能な村へ

カンボジア 世界一持続可能な村へ

カンボジアの話を続けたい。この国では様々な日本人が様々な活動をしているが、その中で非常に大きな出会いがあった。シェムリアップのアンコール北部、アンコールワットの敷地を通過してからトゥクトゥクで約1時間(村へ行く場合は入場料不要)、デコボコの道を左右に大きく揺られながら、その村へ着いた。伝統の森、そこだけに木々が生い茂り、南国の雰囲気が漂っていた。この村を作ったのが、日本人というのは驚きだ… [全文を読む]
カンボジア/ボランティアではなくビジネスを

カンボジア/ボランティアではなくビジネスを

インドの話ばかりが続いてしまい、しかもアジアから見る日中という題にもかかわらず、日本と中国があまり出て来ない、とのご指摘を受けたので、今回は突如カンボジアから見てみたい。カンボジアにはこの3年半の間に数回行っているが、ある意味でとても不思議な国だと言わざるを得ない。中国の文化大革命の末期、その活動に触発されて、暗黒のポルポト時代が訪れる。多くの人々が虐殺され、文化が破壊され、内戦が続く… [全文を読む]