エッセイ
謝罪と決意

謝罪と決意

翌日、暗礁に乗り上げたせいか、昨夜からいろいろ考えすぎ、朝から憂鬱な気分。おまけにチッタゴンは、到着してからずーっと梅雨のような雨。空は分厚い雲に覆われ、まるで夕方のよう。…俺の気分そのものだ。アウンのチッタゴンの住まいに、朝食に招待されている。エレベーター無しの8階! ゼイゼイしながら部屋に入ると、3カ月前に生まれたばかりのアウン・ジュニアがちょーかわいい。 [全文を読む]
第2節 法登録の巻

第2節 法登録の巻

あれから僅か4カ月目の9月5日、俺は再びここダッカ国際空港にいた。今回はスムーズにイミグレーションを通過し、まずは空港の両替所に向かう。ちなみにレートは10円が現地通貨で72タカ。日本円で3万円が2万1600タカとなるのだが、紙幣が細かいため、指3本分ぐらいのぶ厚い札束が、ドサッ、と戻ってきた!… [全文を読む]
ミッションコンプリート

ミッションコンプリート

出発前にアシシュに二度ほど電話するが、う~ん出ない、、。明日の重要なミーティングを成功させるためには今日中に会って誤解を解かなければ。そして彼の真意をたしかめたい。「アシシュは、ああ見えて、結構いいやつですから」と言ってた井本さんの顔が幾度も目に浮かぶ。 [全文を読む]
カプタイ湖と小島の村ディグリバ

カプタイ湖と小島の村ディグリバ

ここランガマティ地区には、日本の琵琶湖よりも大きいであろう、巨大な人口のダム湖、カプタイ湖の存在がある。湖畔は6つの区域に分かれており、大小さまざまな村が存在する。1963年、まだ東パキスタンだったころ、水の利権がらみ及び、最大エスニックのチャクマ人を孤立させる目的で、東パキスタン政府の陰謀で作られたのだと地元の人は言う。 [全文を読む]
サッカー・ワールドカップ オープニングゲーム

サッカー・ワールドカップ オープニングゲーム

チッタタゴンのアシシュに電話してスケジュールの変更を伝えた。日程の関係もあるのでボツアカリ行きを中止し、ランガマテに少し滞在し、ブッダバンクのめぼしい地域の視察を続ける事。さらにCSメンバーに加えたい人がいる事などである。電話先で彼は少し戸惑ってるようだった…。 [全文を読む]
カルガチョリの焼き討ち事件

カルガチョリの焼き討ち事件

今日はチッタゴン近郊で、アシシュの故郷、バルワ人(ベンガル人仏教徒)たちが暮らすルワラバラ村で3箇所めのブッタバンクを開設する。場所は、オグゥシャル・コンプレックスという寺院を中心にした大きな施設で、バングラディシュで最も有名な、故ビシュタナン・ド・マハテロ、という僧侶が日本とノルウエーの寄付で設立した所らしい。 [全文を読む]
ベンガル人仏教徒バルワ族

ベンガル人仏教徒バルワ族

翌日バンダルバンのある広陵地帯を後にして、シャンガプリヤ僧侶のテリトリー、ポテヤという街に移動した。チッタゴンシティーから南に約20キロ、人口50万ぐらいの大きな街だ。それにしてもうだるような暑さだ…むぅ~とする熱気、吐き気がしそうな生ゴミの悪臭。バングラの大きな街にいると頻繁に、腐った酸っかい強烈な匂いに襲われる。 [全文を読む]
バングラディシュのチベット

バングラディシュのチベット

バングラデシュ南東部のチッタゴン丘陵地帯はチッタゴン、コックスバザール、バンダルバン、ランガマティ、カガチャリの5州からなる地域だ。ほとんどがインドと国境を接するが、丘陵地帯南東部はビルマのラカイン州およびチン州に接する。このため、古くからビルマ系住民が多く住む地域であり、仏教徒が多く暮らしている。 [全文を読む]
マルマ族の暮らす土地バンダルバン

マルマ族の暮らす土地バンダルバン

チッタゴンに向かう飛行機の中、レポートを書いていると、懸念していた事が頭をよぎり不安が募りだしてきた。理由は向こうで、現地の四方サンガメンバー数人に会うことになっているのだが、その中に「アシシュ」という人物にがいる。一度会ったことがあるが、はっきり言って印象は良くない。っていうか悪い…。かなりのくせ者というのが俺の印象だ。 [全文を読む]
おおいなる使命と目的

おおいなる使命と目的

今から3年ほど前の2009年6月、ひょんな事からバングラデシュに行く機会を得た。元来旅好きの僕が、新しい国に行けると、旅感覚の軽い気持ちで引き受けた現地視察だった。衝撃的だったのは、なんと言っても貧困の凄さである。写真家として、いままで多くの国を訪ずれて来たが、こんなに一度に貧しい人を同時に見た事は無い……。 [全文を読む]
女性党首モモタ・ベナルジー

女性党首モモタ・ベナルジー

女性党首であるモモタ・ベナルジーは、党派、宗派にかかわらず、西ベンガル人の尊敬と人気を集めているようです。首相となった今も、ゴム草履をはき、特別待遇は一切拒否し、護衛もつけず交通渋滞でも一般車と同じように停車し、声をかけてくる一般の人々の質問にも答える。モモタを批判する人にはあまり出会わないぐらい、一般人からの信頼を得ているようです。 [全文を読む]
高僧アジャ・リンポチェ

高僧アジャ・リンポチェ

チベットにはトゥルクと呼ばれる特別な僧侶たちがいる。平たく言うと高僧が生まれ変わるという信仰だ。生まれ変わって、また坊さんとは御苦労なことだ。もっとも吾輩も生まれ変わりなんてものが本当にあるのならば、次も狼以外の生き物に生まれ変わりたくはないが。 [全文を読む]
「外」から見た日本

「外」から見た日本

3月12日、あちこちから電話が入る。「日本のご自宅のほうは大丈夫ですか?」「日本のご家族の方はご無事でしょうか?」テレビも無ければ新聞も取っていない……そんなアシュラム生活をしている私が、今回の東日本大地震と津波のことを知ったのは、ニュースを見た村人からの知らせを受けたからでした。 [全文を読む]
自死したプンツォク

自死したプンツォク

プンツォクは東チベット、アムドのンガバという地域にあるキルティ僧院(キルティ・ゴンパ)という大きな寺院で修行している僧だった。キルティ僧院は、この地域でのチベット仏教ゲルク派(ダライ・ラマが属する宗派)の最大の僧院で3000人以上の僧侶たちが生活している。 [全文を読む]
追跡者ジグメ・ノルブ

追跡者ジグメ・ノルブ

インディアナ州でレストランを経営しているジグメ・ノルブというチベット人がいた。彼は吾輩たち狼でも真っ青になるほどの追跡者だ。彼は19回、延べ12500kmにも及ぶ長い距離を徒歩あるいは自転車で追跡している。ジグメ・ノルブが追い求めたのは柔らかい鹿肉でもなければ、猛々しい雄牛でもない。ジグメ・ノルブが12500kmの追跡で追い求めていたのはチベットの独立、自由と平和だった。 [全文を読む]