書評
『中国の反外国主義とナショナリズム』佐藤公彦著

『中国の反外国主義とナショナリズム』佐藤公彦著

「中国もの」が毎月、溢(あふ)れるほど出版されていても、日本人など世界の人々は中国と中国人が理解できない。強烈な違和感を覚える隣国は近代から現在に至るまで、ずっと日本の最大の躓(つまず)きの石だった、と著者は看破する。異文化と出会った時(とき)に中国は「外国人嫌い(ゼノフォビア)」と「神秘的な法術(邪教)」で対応してきた。具体的には「反韃子(ダーツ)主義」と「反外国主義」の形式で現れる… [全文を読む]
中国の反外国主義とナショナリズム

中国の反外国主義とナショナリズム

「近現代日本の最大の躓きの石は『中国』であった」。本書はこの刺激的な一文で始まる。ここに著者の問題意識と結論が凝縮されている。著者は、日中関係が今日ここまでこじれている理由が中国人の一貫した行動様式にあり、それは他民族や他国家を蔑視排斥する「反外国主義」の感情にあるという。近代以降における中国のナショナリズムも共産主義も、反外国主義の… [全文を読む]
書評「尖閣反駁マニュアル百題」/中国の「ソフトキル」への対策

書評「尖閣反駁マニュアル百題」/中国の「ソフトキル」への対策

経済発展に自信をつけた中国は、近隣防御戦略(A2/AD)に基づいて海洋進出を図り、南西諸島、台湾、フィリピンと結び9断線に至る第1列島線で囲まれた東・南シナ海における島嶼の領有と海洋資源の独占を目論んでいる。尖閣諸島は、日本が1985年に無主地であることを確認して領土へ編入した日本固有の領土であり、この第1列島線上に位置する南西諸島の… [全文を読む]
日経新聞書評『安源炭鉱実録』

日経新聞書評『安源炭鉱実録』

毛沢東、劉少奇、李立三らが1922年の大ストライキを指導したことで有名な安源炭鉱は、いわば、中國共産黨の「正統史観」に基づく労働運動の発祥地だ。しかし、異端(=反體制)として出発した安源の労働運動は、社會主義國家という「正統性」が確立されると、再び異端(=反革命)の立場に追いやられる。現在、安源には、年金や保険のある幹部や常傭工の他、契約工や臨時工、さらに、レイオフされた従業員や自宅待機… [全文を読む]
図書新聞:書評『チベットの秘密』

図書新聞:書評『チベットの秘密』

チベットの秘密は何だろうか。日々、電波を通って伝わってくる「我が身を炎と化す」焼身自殺の原因だろうか。中国はそれを「国外にいる、一握りの民族分裂主義者による扇動だ」と主張している。あるいは、ダライ・ラマ法王が日本などを訪問した時に、「外国による内政干渉に抗議する」といつも激昂し、甲高い声を出している中国外務省スポークスマンの胸中だろうか。はたして、日本人はどれほど、このような茶の間にまで入って… [全文を読む]
産経新聞夕刊関西版で『チベットの秘密』紹介

産経新聞夕刊関西版で『チベットの秘密』紹介

「著述とは祈ることであり、巡り歩くことであり、証人になることである」。こう語るチベットのラサ出身で、中国北京市在住の作家・詩人、ツェリン・オーセルさんは現在、中国政府がパスポートを発行しないため出国できずにいる。中国政府は漢民族をチベットに大量移住させる政策を続け、チベット人の政治的自由や言語、宗教、文化を抑圧してきた。これに抗議するチベット人の焼身自殺は近年、後を絶たず国際問題となっている。 [全文を読む]
楊海英評『私の西域、君の東トルキスタン』

楊海英評『私の西域、君の東トルキスタン』

西域といえば、中国人も日本人も大いにロマンを抱くところだ。「腰の下の剣を将って、願わくは直ちに楼蘭を切らん」。「黄砂 百戦すれば、金甲 あなをうがつも、楼蘭をやぶらずんば、ついに かえらじ」。このような漢詩をまた「辺塞詩」とも呼ばれ、古来、中国人による西域征伐の軍功をうたった作品である。 [全文を読む]
麻生晴一郎評『私の西域、君の東トルキスタン』

麻生晴一郎評『私の西域、君の東トルキスタン』

中国には民主派、親政府派など多様な意見を持つ知識人がいる。だが、そうした多様性も民族問題になると別だ。日ごろ民主化を唱えて政府に批判的な人でもウイグルの独立問題になると途端に政府を弁護しがちで、少数民族の側に身を置いた意見はきわめて少ない。中華民族としての独特な統一意識やナショナリズムのためと思われ、同じ傾向は台湾の独立問題に関しても言える。 [全文を読む]
サーチナ書評『現代中国社会保障事典』

サーチナ書評『現代中国社会保障事典』

著者・王文亮教授による『現代中国社会保障事典』の紹介が「サーチナ」のコラム/インタビュー欄に掲載されました。 中国に進出している日本企業にとっても、従業員の賃金や福利厚生は大きな関心事であり、従業員の年金、医療、失業、労災、出産に関連する社会保険の加入も大きな課題となっています。 [全文を読む]
沢野ひとしさんの『北京再造』の感想

沢野ひとしさんの『北京再造』の感想

元祖うまへた絵、ワニ眼画伯の沢野ひとしさんからイラスト付きの楽しいファックスご注文書を頂戴しました。沢野さんのご許可を得て、小社既刊『北京再造』のご感想と併せてご紹介させていただきます。 [全文を読む]
書評『インド 解き放たれた賢い象』

書評『インド 解き放たれた賢い象』

神秘の叡智の国インドが、植民地時代にどう変革し、独立によってどう変わったのか? 1970年代に欧米のヒッピー達が楽園と呼び、1980年代には日本のバックパッカーが自由を満喫し、1990年代にはIT企業がこぞって活路を見出した不思議の国インド。しかしインドは、苦悶と矛盾と混乱を抱えながら、重たい足を引きずるように前へと進まんとしていた「象」の様だったのだろう。 [全文を読む]
殺劫(シャーチェ)書評・週刊東洋経済

殺劫(シャーチェ)書評・週刊東洋経済

この本を手にするとユダヤ人ローマン・ヴィシュニアックのことを思い出す。第2次世界大戦前夜の欧州で、ナチスのユダヤ迫害の光景を4年間密かに撮りつづけた写真家だ。 [全文を読む]
徳澄雅彦氏書評『路遥作品集』

徳澄雅彦氏書評『路遥作品集』

黄土高原が産んだ貧農出身の作家、路遥の作品が日本で紹介されることは、これまで比較的に少なかった。しかし92年に42歳の若さで世を去った彼の作品は、中国では彼の没後も依然として読み継がれている。路遥は中華人民共和国の誕生と同時期に生をうけ、国家の苦難の歩みと共に青年期を過ごした。陝西省北部の極度の貧困や飢餓の生活に耐えながら、必死に学び、文学の路を追求した。 [全文を読む]
小田富士雄氏『北京再造』書評

小田富士雄氏『北京再造』書評

古い歴史を背負った建築やその集合景観が新しい時代の波に呑みこまれて姿を消してゆく世相はわが国でも例外ではない。本書は1950年代に古都北京の歴史的景観保存する都市計画プランを提出した一建築家梁思成がいたこと、またこの人が日本で生まれ育った人で、奈良・京都を太平洋戦争時の空襲から守るためにもかかわったらしいことなど、わが国にもかかわる人物であることを本書によって知らされた。 [全文を読む]
『北京再造』書評続々と

『北京再造』書評続々と

集広舎刊『北京再造』への書評がさまざまな紙誌に続々と掲載されています。それらの中から朝日新聞と産経新聞の書評をご許可を得て転載させていただきます。 文化財と共存 街づくり問う  歴史都市の景観は、文化遺産としてすっかり市 ... [全文を読む]