路上の詩/vol.010
路上の詩 [ホームレス川柳]/vol.010
並び食い 炊き出しカレーに 舌鼓 髭戸 太
並び食い カレーを箸と 紙皿で 髭戸 太
紙皿は 曲がり溢れて カレー落ち 髭戸 太
並び食い 三杯目には そっと出し 髭戸 太
カレーなら 二時間待つのも 仕方なし 髭戸 太
花見する 起きたベンチで 夜桜も 髭戸 太
花見客 帰れば始まる 争奪戦 髭戸 太
桜より ごみ箱の中 アルミ缶 髭戸 太
枕元 残った弁当 そっと置き 髭戸 太
花見なら 焼肉食べたい 鱈腹に 髭戸 太
炊き出しの メンバー変わる この季節 麺好 司
炊き出しに 雨にも負けず 長い列 麺好 司
においから メニュー考え 待ちわびる 麺好 司
皆無口 炊き出し食べて 満足げ 麺好 司
笑み浮かべ 炊き出しの後 散る仲間 麺好 司
衣替え 寒の戻りで ああ寒い 沢野 健草
春来ても 世間の風は 冷蔵庫 沢野 健草
春うらら 心うきうき なるわけねぇ 沢野 健草
春雨じゃ 濡れて行ったら 風邪ひいた 沢野 健草
公園の 桜吹雪で 夢一夜 沢野 健草
髭戸 太
昭和33年生まれ。大台50歳。生れも育ちも静岡県。24歳の時、離婚がきっかけで高卒と同時に勤めた国鉄を辞職。以降、定職につかず、派遣の仕事で食いつなぐ。
大台に近づくにつれ派遣の仕事は無くなり、寮住まいだったため、仕事を辞めたとたんホームレスと言う事に成ってしまう。東京で1年ホームレスをした後、静岡に帰省。しかし長続きせずに放浪。自転車で紀伊半島と四国を回ったのち、福岡へたどり着く。約2000キロの旅だった。
福岡(大濠公園)にたどり着き、1年半経ってビッグイシュー立ち上げの話しを聞き参加。最初は特別何もしなくても雑誌が売れていたのだが、だんだん売れなくなってくる。強迫観念にかられ何かしなくてはと。川柳ぐらいならと、書いてみる。そしたら二十首ほど出来たので、やってみようと思い立ち、一人では面白くないのでホームレス仲間の友人に一緒に書いてくれと、だめもとで頼んだら、意外にもOKだった。人数は減ったものの(5人→3人)、11月で1年になる。















