艾未未読本

牧 陽一 編
発行/集広舎 発売/中国書店
A5版/並製/386頁
定価2940円(本体2800円+税)
ISBN 978-4-904213-14-8 C0070

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誰が艾未未を愛さないのか

 北京オリンピック国立スタジアム《鳥の巣》の設計者のひとりであり、中国政府による逮捕・軟禁の圧力のなか、表現の自由を求めてやまない反体制的芸術家、アイ・ウェイウェイ──。
 政府がひた隠しにする四川大地震の被害を独自に調査し、死亡した児童5214人の名前をひとりひとり読み上げるドキュメンタリーDVDを制作したかと思えば、陶器によるヒマワリの種を1億粒、景徳鎮の陶工村に発注してロンドンのテート・モダンの広大なホールを埋め尽くす。
 タイム誌による「世界にもっとも影響を与える100人」にも選ばれたアイ・ウェイウェイとは何者なのか。芸術家なのか。民主化活動家なのか。そして、誰がアイ・ウェイウェイの活動を疎ましく思い、愛さないのか。
 その多面的な実像を、牧陽一、ふるまいよしこ、麻生晴一郎を始めとする7人の気鋭の執筆陣がアートシーンの文脈から、あるいは社会学的なアプローチから明らかにするとともに、中国ロックミュージック界の「神父」と呼ばれる左小祖咒、日中両国の若者を惹きつける写真家の榮榮と映里など、艾未未ゆかりのアーティストにも言及する。
 評論、評伝、インタビューに加え、アーティスト自身によるテキストと120点を超える豊富な図版を併録し、世界中のアートファンを熱狂させる中国現代美術のスーパースターを解読するトータルな読本、本邦初登場。

艾未未(アイ・ウェイウェイ)略歴
1957年、詩人艾青の次男として北京に生まれる。1978年北京電影学院に入学。1981〜1993年、ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザイン等で学び、詩人ギンズバーグらと交流。2000年上海にて『不合作方式(Fuck Off)』展を開催。2003年頃から《鳥の巣》の設計を担当。2008年四川大地震の際の手抜き建築による地震被害の責任を追及し、犠牲者の名簿をブログ等に発表、当局によってブログもツイッターも閉鎖される。2007年『ドクメンタ12』で1001人の中国人をドイツ、カッセルに招くプロジェクト《童話》を行う。2009年、森美術館で個展『アイ・ウェイウェイ──何に因って?』を開催。総じて民主と自由、人権を求める行動を持続し、メッセージ性を含んだ哲学的な作品をつくり続けている。