グラミンのソーシャル・ビジネス

世界の社会的課題とどう向き合うか

大杉卓三(九州大学日本エジプト科学技術連携センター特任准教授)
アシル・アハメッド(九州大学大学院システム情報科学研究院准教授)共著

A5判並製/128ページ/1680円(1600円+税)
ISBN978-4-903316-16-2 C0086

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グラミン型ソーシャルビジネスの理念と世界の最新動向をわかりやすく理解できる格好の1冊

 本書は,バングラデシュのグラミン銀行,そしてグラミン・グループが実践するグラミン方式のソーシャル・ビジネスについて学ぶことを目的としている。グラミン方式のソーシャル・ビジネスの理念を知り,世界各国で実践されているソーシャル・ビジネスの現状を把握することで,社会的な課題をビジネスの手法で解決することの本質を理解できる。

【目次】より
序文 ムハマド・ユヌス
まえがき
第1章 ソーシャル・ビジネスとは何か
 1 ソーシャル・ビジネスの概念
 2 BOPビジネスとの関係
 3 ソーシャル・ビジネスを取り巻く環境
 4 グラミン方式のソーシャル・ビジネス
 ソーシャル・ビジネスと大学の役割 安浦寛人
第2章 グラミン銀行とグラミン・グループ
 1 グラミン銀行—貧しい人々のための銀行
 2 グラミンフォンとヴィレッジ・フォン・プログラム—農村部にも携帯電話サービスを
 3 グラミン・シャクティ—再生可能エネルギーの供給
第3章 バングラディシュでの合弁企業
 1 グラミン・ダノン・フーズ—栄養強化ヨーグルト
 2 グラミン・ヴェオリア・ウォーター—安全な水の供給
 3 グラミン・雪国まいたけ—緑豆で所得向上と栄養改善
 4 合弁企業の広がり—緑豆で所得向上と栄養改善
第4章 グラミン・モデルの世界への展開
 1 グラミン・アメリカ アメリカ版グラミン銀行の活躍
 2 ウガンダのAppLabプロジェクト—携帯電話で農業情報の流通促進
 3 ソーシャル・ビジネスの広がり
 さらに理解を深めるための文献リスト
 あとがき

【序文】より
2006年ノーベル平和賞 ムハマド・ユヌス
 ソーシャル・ビジネスは,社会課題を解決するための一つの強力な方法です。私たちが直面している社会課題のほとんどは人々が作りだしたものですが,同時にそれらの課題は人々が力を合わせることで解決できます。多くの学問領域にわたる技術と資源を擁する学界は,課題解決の道筋を開発するための理想的な場所と言えます。(略)
 この本を通じて,グラミンが金融や教育,ヘルスケア,エネルギー,通信に関する社会的な課題にどのように取り組んできたのかを,読者のみなさんは知ることができるでしょう。私は,ここに書かれた物語を読んだ人々がアクションを起こすこと,つまり学生たちが社会課題の解決を目指すキャリアを選ぶことを,また研究者が新たな研究の種を見つけることを,そして世界的に名高い技術を持つ日本の産業界がソーシャル・ビジネスへの関与を広げることを希望します。それが小さなスタートであったとしても,そこにはすべての人々にとって,よりよい世界をつくるための可能性があるのです。