北京と内モンゴル、そして日本

北京と内モンゴル、そして日本

副題:文化大革命を生き抜いた回族少女の青春記

発行日/2014年03月24日
著/金佩華
発行/集広舎
四六判/上製/368頁
定価/2,600円+税

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壮大なる闘いのドキュメンタリー

著者自身の体験をつづる壮大なる闘いのドキュメンタリー
なぜ、ふつうの家族が「政治」の嵐に襲われねばならなかったのか
貧困、差別……に抗し、いかにして、夢追い、夢かなえたのか

 1966年からの10年間にわたって繰り広げられた文化大革命(文革)による犠牲者は、死者1千万人以上、被害者1億人にも及ぶと言われ、経済的な損失も多大なものであった。1980年にはその牽引者であった毛沢東の誤りが認められ、以降、中国国内では未だ正面から議論することが困難な状況にあるとは言え、数多くの「文革もの」が刊行されてきた。 これら既刊書は高級幹部や知識人、その子弟──文革中の迫害は別として恵まれた人びとによるものであったが、本書は、文革中も、前も後も、日々の生活に呻吟する家庭に育った少女の記録である点において異彩を放つ。多感な研ぎすまされた少女の感性によって語られる「生活」は、「政治」また「思想」を語ることなく、市民の目線から中国社会にいまもって存在する現代中国の諸問題えぐりだすものである。
 真実をありのまま書くために日本語で書こう、日本に暮らすのだから日本の読者に自分の思いを伝えたい。そう決心して2000年代初めに執筆を開始した第一稿50万字に推敲を重ね、膨大な記録を練りに練り上げた、報告(記録)文学という形式による著者渾身のドキュメンタリードラマである。

【目 次】

プロローグ
Ⅰ 龍 泥沼でもがく
Ⅱ 運命 翻弄される
Ⅲ 青春 死んでもいい!
Ⅳ 人生 諦めまい!
Ⅴ 夢 追い続ければかなう
あとがき

日本語ができる中国人として、日本人の家族として、今の日本人にあまり知られていない一昔前の中国のことを伝え、中国人のことを理解してもらい、互いの理解を深め合えることは、自分が人生を切り拓かんと、砂漠の地の真ん中で始めた日本語学習の究極の意義、身に着けた日本語を活かす最高の所為になるのではないか。……二〇一一年、東日本大地震が起こったとき、最後の仕上げ段階となっていた。大地が揺れる中、忘れ難い、辛い過去、思い出したくもない苦難の数々を心の底からえぐり出し、涙を流しながらパソコンと格闘し、書き続けた。(本書「プロローグ」より)

著者紹介
中国北京市生まれ。1969年4月から76年1月まで文化大革命下の下放政策により内モンゴルの砂漠で開拓生活を送る。78年、全国大学統一試験の回復により受験、79年、北京第二外国語学院(現・北京連合大学旅遊学院)日本語科に入学、83年、同大学卒業。同年、同大学教師となる。87年、立教大学奨励研究員に迎えられ来日。90年、北京連合大学旅遊学院助教授となる。91年9月に再び来日。現在、大東文化大学外国語学部、共立女子大学国際文化学部、早稲田大学文学部、慶應義塾大学経済学部などの講師を勤める。主な著書に『中国的──郷に入りて郷に従わず』(白帝社、1996年)、『子供も話す実用中国語成語1000──うろ覚え索引つき』(光生館、2000年、共著)がある。