安源炭鉱実録

安源炭鉱実録

副題:中国労働者階級の栄光と夢想

発行日/2014年03月26日
著/于健嶸
訳/横澤泰夫
解説/劉燕子
発行/集広舎
A5判/並製/546頁
定価/4,500円+税

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中国の労働者階級はすでに弱者集団と化している

憲法第1条で中華人民共和国は労働者階級の指導する労農同盟を基礎とした人民民主主義独裁の社会主義国家であると明記する隣国社会の実相に迫る。当局の監視と脅迫の下、気鋭の政治社会学者が綿密な聞取り調査を敢行。労働者全体が置かれている普遍的な状況を活写。複雑かつ危険な労務環境において、かつての栄光に捕縛されたままの炭鉱労働者は何を求めているのか─。改革開放の中、中国最大のエネルギー源である石炭の採掘に従事する人々のみならず、中国の労働者全体が置かれている普遍的な状況を明らかにした稀に見る労作。発禁処分の文学作品をおもわせる壮大なドキュメンタリー。

【著者】于健嶸(ユ・ジエンロン、う・けんえい)
中華人民共和国の社会学者、政治学者。湖南省衡陽市出身。幼少時に文化大革命で父親が鎮圧対象とされたことから一家の戸籍が抹消され、小学校から追い出された経験を持つ。1979年に湖南師範大学入学、卒業後商事訴訟の弁護士となる。その後、華中師範大学中国農村問題研究センターの徐勇教授のもとで学び、2001年博士の学位を取得。現在は中国社会科学院農村発展研究所教授、社会問題研究センター主任。著書に『岳村政治─轉型期中国郷村政治結構的変遷』(2001年、商務印書館、北京)、『中国工人階級状況─安源実録』(2006年、明鏡出版社、ニューヨーク)、『中国当代農民的維権抗争─湖南衡陽考察』(2007年、中国文化出版社)、和訳著書『移行期における中国郷村政治構造の変遷─岳村政治』(于建嶸著、徐一睿訳、寺出道雄監修、日本僑報社、2012年)など。

【訳者】横澤泰夫(よこさわ・やすお)
昭和13年生まれ。昭和36年東京外国語大学中国語科卒業。同年NHK入局。報道局外信部、香港駐在特派員、福岡放送局報道課、国際局報道部、国際局制作センターなどを経て平成6年熊本学園大学外国語学部教授。平成22年同大学退職。主な著訳書に、師哲『毛沢東側近回想録』(共訳、新潮社)、戴煌『神格化と特権に抗して』(翻訳、中国書店)、『中国報道と言論の自由─新華社高級記者戴煌に聞く』(中国書店)、章詒和『嵐を生きた中国知識人─右派「章伯鈞」をめぐる人びと』(翻訳、中国書店)、劉暁波『天安門事件から「08憲章」へ─中国民主化のための闘いと希望』(共訳、藤原書店)、『私には敵はいないの思想─中国民主化闘争二十余年』(共訳・著、藤原書店)、呉密察監修・遠流出版編『台湾史小事典』(編訳、中国書店)など。

【解説】劉燕子(りゅう・いぇんず)
作家、関西学院大学講師。「文学の力」をモットーに日中バイリンガルで著述。編著訳書に『黄翔の詩と詩想』、『温故一九四二』、『中国低層訪談録』、『殺劫―チベットの文化大革命』、『ケータイ』、『私の西域、君の東トルキスタン』、『天安門事件から「〇八憲章」へ』、『「私には敵はいない」の思想』、『チベットの秘密』、『這条河、流過誰的前生与后生?』など多数。集広舎サイトにコラム「燕のたより」を連載中。