中国の反外国主義とナショナリズム

中国の反外国主義とナショナリズム──アヘン戦争から朝鮮戦争まで

発行日/2015年04月12日
著/佐藤公彦
発行/集広舎
A5判/上製/2段組/381頁
定価/3,600円+税

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帯表
現代日本の最大の躓きの石は「中国」であった。
──近現代の中国を突き動かした反外国主義とは?
──今なおキリスト教への弾圧が続く中国
──アヘン戦争後の反キリスト教運動、義和団事変、20世紀の排外運動、そして現代の「反日デモ」に通底する「中華民族」のナショナリズムの構造を解明。新たな中国近現代史像を描く。

帯裏
中国史に限って言えば、太平天国の反乱はキリスト教に対する反感、恨みを長く中国社会に残し、その分だけ伝統主義、国粋主義的な儒教の生命力が持続しつづけた。士紳大衆のこの思想的潮流が破産し、一大転換したのは、反外国騒擾の累積の後の、世紀末の「拳匪」・義和団事変の経験(八ヵ国聯合軍の北京制圧・北京議定書)・「庚子国変」だった。《本文より》

目次
序 近代中国の「反外国主義」とナショナリズム
第1章 アヘン戦争時の「反外国主義」とその抵抗
  林則徐と三元里「平英団」の「神話化」
第二章 太平天国の反乱と反キリスト教運動の勃興
  第1節 太平軍の「反韃子主義」と江西・湖南の教案事件(南昌教案)
  第2節 反キリスト教暴動の思想と感情

  ──儒教秩序に対する挑戦者、批判者として立ち現れた外国人宣教師
第三章 一八七〇年の天津教案──義和団事変への序曲

  背景・事件・反応・フランスの動き・外交交渉・結果と賠償・訪仏謝罪・教会再建
第四章 中国分割と「反外国主義」の抵抗
  第一節 湖南省反太平儒教派の反キリスト教運動
  ──一八九一年の周漢の反教事件
  第二節 一九〇〇年の義和団(Boxers)と各地の抵抗運動

  ──湖南・膠州湾・旅順大連・広州湾・四川・湖南・民衆ナショナリズム――
第五章 辛亥革命をどう捉えるか
  第一節 「反外国主義」の挫折と「大転換」
  ──対外恐怖症と高文化ナショナリズムの興起(南昌教案)
  第二節 「反韃子」・「反外国主義」としての「辛亥革命」
  ──四川保路運動と辛亥革命の性格について
第六章 国民革命期の「反外国主義」
  ──反キリスト教運動と一九二七年の南京事件(New Boxers)
  アメリカプロテスタントの中国布教とSVM・教育権回収運動・国民革命と教会・南京事件
第七章 人民共和国の「反外国主義」
  ──朝鮮戦争の勃発と国内キリスト教の弾圧
あとがき 文献一覧


著者プロフィール
佐藤公彦(さとう・きみひこ)
1949年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。前、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。現在、東京外国語大学名誉教授。中国近代史・近代東アジア国際関係史。著書『義和団の起源とその運動──中国民衆ナショナリズムの誕生』(研文出版、1999)、『「氷点」事件と歴史教科書論争』(日本僑報社、2007)、『清末のキリスト教と国際関係』(汲古書院、2010)など。訳書にピーター・バーク『歴史学と社会理論・第二版』(慶應義塾大学出版会、2009)、ジョナサン・スペンス『神の子 洪秀全 その太平天国の建設と滅亡』(同、2011)、蒋廷黻『中国近代史』(東京外国語大学出版会、2012)などがある。