集広舎の本

北京再造 – 古都の命運と建築家梁思成

北京再造 - ジャケット書名:北京再造
副題:古都の命運と建築家梁思成
著者:王軍
訳者:多田麻美
B5ソフトカバー/418頁
定価 :本体4,600円+税

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 戊戌の変法の指導者のひとり梁啓超の長男として日本で生まれた梁思成は、1950年代、元・明・清と引き継がれてきた古都北京を保存する都市計画プランを提出した。しかし、このプランは採用されず、再び脚光を浴びることになったのは、北京五輪を控えて、北京の再開発をめぐる論争が繰り広げられた時期である。戦時下、米軍に対し京都と奈良を保護するように提案したという梁思成の逸話にも触れながら、著者は、現代における文化財保護、都市計画のありようを問いかける。

本書構成
第一章 古都をはかりにかける
第二章 都市の造営をめぐる論議
第三章 梁陳プラン
第四章 紛糾する論争
第五章 「大屋根」論争
第六章 名匠の惑い
第七章 読書人の気概
第八章 青写真のお目見え
第九章 新と旧の決裂
第十章 余韻去り難し

 中国の建築と都市計画を研究するにあたって、梁思成を避けて通ることはできない。……梁山の原生林を渡り歩き、古い中華文明の貴重な宝を捜し求め、中国人による初めての建築史を完成させたのであり、「住むものにその家を」「都市計画の最高の目標は安価に暮らし、楽しく働くこと」といった主張を発し、中国の都市の理性的発展のために多大な困難を背負ったのである。中国の古代建築を救うために全力を尽くし、連戦連敗であったとはいえ、その一途な思いを変えることはなかった。(本書「前言」より)