中国人留学生のための法学・政治学論文の書き方

中国人留学生のための法学・政治学論文の書き方

発行日/2015年03月18日
著/九州大学大学院法学研究院
発行/中国書店
A5判/並製/256頁
定価/2,500円+税

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論文の書き方について、初歩の手ほどきをまとめた本を九州大学大学院の西英昭准教授(41)が出版した。「中国人留学生のための法学・政治学論文の書き方」(中国書店)。日本語の法律用語に慣れない中国人留学生のために書いたが、日本人の学生にも「分かりやすい」と好評だ。

中国人向け 日本人にも好評

九大院の西准教授が出版

 日本でキャリアを積もうと、同大大学院法学府へ進学する中国人留学生は少しづつ増えている。2005年は9人だったのが、08年には21人になった。その後は日中関係の悪化もあって一時は9人まで減ったが、このところまた増加傾向にあるという。
 法学や政治学の専門用語に戸惑う中国人留学生が多かったため、11年4月から主に大学院修士課程に在籍する外国人留学生を対象に論文の書き方講座を始めた。講義は中国語、韓国語、英語、講義のレジュメをもとに西准教授が同僚とまとめたのが本書だ。

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◀朝日新聞(福岡版)

 「指導教員に緊密に相談しよう」「専門分野だけでなく広く同時代の文献に目を通そう」「読書カード、研究日記を作ろう」といった研究入門編から、図書館の利用方法、テーマの決め方、タイトルのつけ方、資料の分析方法など具体的な論文執筆の手順まで丁寧に説明している。

日中2か国語で説明

 日中2カ国後で書かれている。留学生に好評だっただけでなく、予想に反して日本人の学生からも反響があった。同大学院で中国の法律の歴史を学ぶ国吉亮太さん(28)は「読書ノートの付け方で、読んだ本のなかに出てきた言葉を漠然と抜き書きするのではなく、執筆者の意図を意識しながら読むというところが参考になった」と話す。
 他大学の教員からも「日本人の学生にもぜひ読ませたい」と言われ、論文の書き方講座などでも教科書に使う予定だ。
 西准教授は「これまでは先輩や友人から伝えられてきたが、現在は気楽に他の学生と交流する機会がだんだん減っているようだ。自分の体験をちゃんと書き残して次世代の学生の参考にしてもらおうという気持ちがあった」と話す。

溝越 賢
朝日新聞(福岡版)2015年(平成27年)7月1日朝刊