劉燕子さんが当サイトの「ジャスミンレポート」でチベットに関する貴重なレポートを寄せていただいたスウェーデン在住の茉莉・傅正明ご夫妻と中国国内のニュー・オピニオンリーダーの呉洪森氏をお招きして「東アジアのよりよい未来の道を─茉莉・傅・呉先生を囲む会」を企画されています。貴重な機会ですので関西方面の方はお見逃しなく、ふるってご参加いただければ幸いです。

諸先生各位
 いかがお過ごしでしょうか。
「月、出でて山鳥を驚かし、時に春澗(しゅんかん)の中に鳴く」(王維)
今年に入り、わずか三ヵ月の間にチベット人の抗議焼身自殺は十七人(三月二十二日に分かっているだけで)になり、NHK・BSワールド・ウェイブでも取りあげられるほどになりました。この驚きのあまり戦慄が止まらない現実に打ちのめされ、文学、芸術、議論はまさに「贅沢品」かと思わされましたが、この時こそ言葉には、傷を負うことを通して、新たな現実と希望を胚胎させることを可能とする力があるのではと思いました。
 今年は日中国交正常化四十周年という節目にあたる年です。今、中国は強烈な光を発しているかのように見えます。また朝鮮半島からも目が離せません。この東アジアのよりよい未来を考えるとき、その強烈な光線に目をくらませることなく、しかし、しっかりと見据えつつ、かいくぐり、発生源の坩堝をフィルムに収め、色彩を還元し、その本質を把握しましょう。そして、真実と大義と節操のある東アジア諸国の関係について考えたいと思います。
 つきましては、このたび、北欧のスウェーデンから二十年も亡命生活を強いられている知識人の茉莉・傅正明ご夫妻と国内のニュー・オピニオン・リーダーの呉洪森氏をお招きし、有意義な集いを企画しております。さらに、日本の有識者の発言と素敵なチベット音楽のミニコンサートも用意しています。きっと心が洗われるような感動の一時となるでしょう。
 以下のような、プログラムとプロフィールをお送りします。みなさんと喜びと悲しみを分ちあえることを願いつつ、心よりお待ちしています。

劉燕子

東アジアのよりよい未来の道を

茉莉・傅・呉先生を囲む会

1. プログラム
日時: 4月14日、土曜日、13:00-17:00 シンポジウム
◎場所:福島区民センター 301会議室
     大阪市福島区吉野3-17-23 06-6468-1771
     地下鉄・千日前線「野田阪神」駅、7番出口上がり、西へ徒歩5分。
     阪神電車「野田」駅、改札左手を出て、西へ徒歩6分。
     JR環状線「野田」駅、徒歩8分
     JR東西線「海老江」駅、徒歩7分
     *区民センターは消防署の隣です

◎茉莉氏、傅正明氏、呉洪森氏の発言(通訳:和泉女史)
 テーマ:茉莉氏「1989年天安門事件の亡命からダラムシャラへ」
     傅正明氏「チベット亡命詩からディアスポラを考える」
     呉洪森氏「自由を求める立脚点・未来の革命のための準備」
 チベットの歌と楽器(川辺ゆか氏)
     司会・進行:劉燕子
     参加費:1500円(学生500円)飲み物付き

◎懇親会 17:30-20:30
 諸先生を迎えて「囲む会」
     場所:fermata(レストラン、会場近く、貸し切り、素敵な雰囲気とシェフ)
     地下鉄・野田阪神駅、7番出口から徒歩3分
     三菱東京UFJ銀行の通りを入り、あさひ薬局の向かい。
     電話 06-6441-6673
     参加費:4000円(食事、飲み放題・自家製サングリア、ワイン、カクテルなどなど)

◎コーディネーター
 劉燕子 Yanzi@mta.biglobe.ne.jp
 090-9286-0563
 小島崇文 fumi-kojima@tea.odn.ne.jp
 090-7358-7133

プロフィール
呉洪森氏
 一九五三年に上海に生まれる。文芸評論家。上海華東師範大学大学院修士課程を修了(文芸修士)。香港で新聞の編集に携わりながらニュー・オピニオン・リーダーとしてネットを中心に活躍し、様々な文芸賞を受賞しています。座右の銘は「命を懸けて反人道的な独裁体制と闘い抜く」です。ネットでは「真名論壇」、「真名網」、「真名」、「寛容」、「平等」、「理性」、「捍衛言論自由」、「追求品味与质量」などのサイトを主宰。『崩溃的脸皮:吴洪森随笔散文集』(崩壊する顔:呉洪森評論集)
 
茉莉・傅正明ご夫妻
 茉莉さんは、本名は莫莉花で、茉莉花(ジャスミン)と同じ発音です。北京師範大学中文系を卒業し、元湖南邵陽師範専門学校教師となりました。一九八九年六月、天安門民主化運動に参加する学生を守るために上京し、天安門事件の後、中国政府の鎮圧を批判し、「反革命宣伝扇動罪」により三年の刑を受けました。一九九二年からに香港を経由してスウェーデンに亡命しました。現在は、スウェーデンで教鞭をとりながらコラムニストとして活躍しています。 著書に『人権之旅』、『山麓那辺是西藏(山のかなたはチベット)』、『瑞典森林散步(スウェーデンの森林を散歩する)』など多数。二〇〇一年、ニューヨークで「万人傑文化新聞奨(傑出したジャーナリスト賞)」を受賞。二〇〇五年、香港記者協会、外国記者会、アムネスティ香港支部による「人権新聞奨(人権ジャーナリスト賞)」受賞。
 傅正明氏は湖南邵陽の人です。一九八八年に北京大学大学院中文系を修了した文学修士で、湖南邵陽師範専門学校教師でした。一九八九年六月四日の天安門事件に際し、離党を宣言したため、解職されました。一九九三年に香港を経由してスウェーデンに亡命し、現在は教鞭をとりながら執筆に励んでいます。著書に『在波蘭的廃墟上─辛波絲卡的詩歌芸術与文化伝統(ポーランドの廃墟にて・シンボルスカ詩論と文化伝統)』、『黑暗詩人—黄翔和他的多彩世界(暗黒の詩人・黄翔とその多彩な世界)』、『百年桂冠–諾貝爾文学奨世紀評說(百年桂冠・ノーベル文学賞の世紀)』、『詩從雪域來(雪国からのチベット亡命詩)』など多数。翻訳書も多数あります。
 お二人とも一九九六年から漢蔵協会の発起人となり、チベット人を理解する数少ない漢人として言論活動をしています。また鋭い批判精神、義侠心を持つ言論人として、スーザン・ソンタグになぞらえられています。
 お二人とも独立した精神に立ち、尊厳ある生き方を貫き、中国当局から帰国を誘いかけられても、天安門事件の解決がなされないかぎり帰国しないという立場を堅持しています。
 お二人とも湖南省の出身で、清末の自立軍の唐才常の詩に「枉(ま)げて説う、長沙は是れ薩摩。島津、毛利、竟に蹉跎たり。天を呼び、負却し、心志を平らぐ。業力、沈冥するを奈何にすべき」とあります。長沙は湖南省の省都で、唐才常は自分の故郷を、明治維新の原動力となった薩摩になぞらえたのです。